事業承継を検討している経営者の皆さま、そして事業を引き継ぐ後継者の皆さま、こんにちは。
事業承継というと、後継者選びや相続・税金対策に目が行きがちですが、実はその成否を左右する重要なカギが「経理」にあります。経理の引き継ぎを怠ると、事業の透明性が失われ、最悪の場合、過去の経理ミスや不正が発覚し、事業そのものが立ち行かなくなるリスクもゼロではありません。
この記事では、「何から手をつければいいかわからない」と不安を抱える皆さまのために、税理士の視点から事業承継時の経理手続きを具体的に解説します。経理の現状把握からスムーズな引き継ぎ方法、そして専門家への依頼まで、段階を追ってわかりやすくお伝えします。
事業承継は、経理業務を根本から見直す絶好の機会です。以下のステップに沿って、経理の「見える化」と「引き継ぎ」を進めていきましょう。
まずは、事業の「お金の流れ」を正確に把握することから始めます。
過去の帳簿・資料の整理: 過去数年分の総勘定元帳、試算表、領収書、請求書などを整理し、保管場所を明確にします。過去の経理処理に問題がないか、専門家による監査(デューデリジェンス)を検討するのも有効です。
経費精算や給与計算フローの棚卸し: 経理担当者が属人的に行っていた業務フローをすべて洗い出します。誰が、いつ、どのような方法で業務を行っているかを文書化することで、後継者がスムーズに業務を理解できます。
主要な取引先や金融機関情報の共有: 主要な取引先の決済方法、振込口座、担当者情報などをリストアップします。また、借入金やリース契約などの情報を正確に共有することも重要です。
次に、後継者が円滑に経理業務を行えるよう、具体的な引き継ぎを行います。
会計ソフトのID・パスワード管理: 会計ソフトや経費精算システムなどのIDとパスワードを一覧でまとめ、安全な方法で共有します。
経理業務マニュアルの作成: 日々の仕訳入力、月次決算、年次決算の手順を詳細に記したマニュアルを作成します。このマニュアルは、後継者が経理に不慣れな場合でも、業務をスムーズに進める上で不可欠です。
事業承継に伴い、税務署や役所への届け出が必要になる場合があります。
・法人名義の変更手続き
・消費税や法人税に関する税務上の手続き
・役員報酬の変更に伴う社会保険手続き
これらの手続きには専門知識が必要なため、税理士や社会保険労務士などの専門家へ相談することをおすすめします。
ここでは、実際に多くの中小企業で起きている経理の引き継ぎにおける失敗事例とその解決策をご紹介します。
長年経理を一人で担当していたベテラン社員が、事業承継を機に退職。業務が属人化していたため、後継者や新しい経理担当者がどこから手をつけていいかわからず、日々の業務が滞ってしまった。
解決策: 経理業務を外部の専門家へアウトソーシングすることで、業務のブラックボックス化を防ぎます。日々の記帳から給与計算、年末調整までをプロに任せることで、業務の継続性を確保できます。
事業を引き継いだ後継者が過去の帳簿を確認したところ、ずさんな経費処理や不明瞭な取引が多数見つかった。税務調査で追徴課税を求められるリスクに直面し、事業の信頼性が大きく揺らいでしまった。
解決策: 事業承継前に、専門家による財務デューデリジェンスを実施します。企業の財務状況を客観的に評価することで、隠れたリスクや負債を事前に把握し、対策を講じることができます。
先代が利用していた古い経理システムが、後継者が導入したいクラウドサービスや新しい経営方針に対応しておらず、経理業務が非効率になってしまった。
解決策: 事業承継を機に、クラウド会計システムへ移行することを検討します。専門家のサポートを受けながら移行することで、後継者が経理業務を効率化し、より戦略的な経営に集中できる環境を整えられます。
事業承継の経理を外部の専門家に任せることは、多くのメリットをもたらします。
専門家による確実な引き継ぎサポート: 専門家が客観的な視点で経理業務を整理・効率化し、後継者がスムーズに引き継げるようサポートします。
後継者の負担を大幅に軽減: 複雑な手続きや日々の経理業務を任せることで、後継者は本業である経営に集中できます。
業務効率化とコスト削減の両立: 属人化していた経理業務を効率化し、人件費削減にも繋がります。
事業承継は、未来の事業を左右する重要なプロセスです。特に経理の引き継ぎは、後継者が安心して経営に専念するための基盤となります。
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1979年(昭和54年)生まれ。愛知県豊川市出身。
ニュージーランドの高校(グレンダウウィーカレッジ)を卒業後、南山大学経済学部に入学。
大学を卒業と同年に税理士国家試験合格。
東京の新日本アーンストアンドヤング税理士法人に就職し、国際法人税務に携わる。
帰郷し、当時母が営む筒井経営会計事務所に就職。
平成21年1月、代表に就任。
平成26年9月、税理士法人中央会計社を設立・代表に就任。
(東海税理士会所属 税理士登録番号:109111)
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