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年賀状の費用処理に際して、企業会計上で選択肢となる主な勘定科目は以下の3つです。
【定義】 郵便料、電話代、インターネット通信費など、情報の伝達を主目的とした費用。
【定義】 不特定多数または特定の顧客に対し、自社の商品・サービスや企業自体を周知・販売促進する目的で支出される費用。
【定義】 法人が、得意先、仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用。
税務調査で最も重要になるのは、「なぜその勘定科目を選んだか」という合理的な理由と一貫性です。以下の4つの基準に基づいて判断してください。
| 判断基準 | 通信費として処理 | 広告宣伝費として処理 |
|---|---|---|
| 基準1:送付の「目的」 | 儀礼的な挨拶、感謝の意を伝える「慣習」。 | 商品・サービスの販売促進、新企画の「告知」。 |
| 基準2:内容物の「具体性」 | 定型的な挨拶文、連絡先のみ。 | クーポンコード、割引情報、キャンペーン告知など具体的な販促情報が含まれる。 |
| 基準3:計上の「一貫性」 | 毎年、過去から一律で「通信費」として処理している。 | 販促要素があるものだけを明確に「広告宣伝費」として分け、継続して処理している。 |
| 基準4:はがき代と印刷代 | はがき代(切手代)のみ。 | 印刷・デザイン費用や企画費用全体。 |
最も根本的な基準です。年賀状の作成・送付が、顧客との良好な関係維持(儀礼)に重点を置いている場合は「通信費」が適切です。一方、売上向上に直接つながることを期待して作成している場合は「広告宣伝費」が適切です。
実務上、はがき代(切手代)と印刷代を分けて考えることも可能です。
| 費用内訳 | 広告宣伝性が高い場合 | 儀礼性が高い場合 |
|---|---|---|
| はがき代 | 広告宣伝費 (全体が販促費用の構成要素と見なせる) | 通信費 (郵便物としての費用) |
| 印刷・デザイン代 | 広告宣伝費 (デザイン自体が宣伝の役割を持つ) | 通信費または事務用品費 (印刷作業そのものの費用) |
ポイント: 実務を簡略化するため、目的が統一されていれば、はがき代と印刷代を合わせて一つの勘定科目(例:全額を広告宣伝費)で処理し、その根拠を明確にして一貫させるのが最も効率的です。
勘定科目の選択ミスは、単なる仕訳の間違いで終わらず、企業の税務上のリスクに直結します。
最も恐れるべきリスクです。
年賀状の費用が「通信費」や「広告宣伝費」として処理されていても、税務調査官が実質的に特定の顧客への個人的な贈答(交際費)と判断した場合、その費用は交際費として振り替えられます。
勘定科目の判断基準が曖昧だと、担当者や年度によって処理が異なり、過去のデータと比較できなくなったり、新しい担当者への引き継ぎで混乱が生じたりします。これは、経理業務の非効率化と属人化を招きます。
社内で「販促要素のある年賀状は広告宣伝費」「儀礼的なものは通信費」といった明確なルール(マニュアル)を文書化し、全ての担当者が一貫して処理できるように徹底することが重要です。
年賀状をまとめて購入し、決算日を迎えても一部が未使用のまま残っている場合、その未使用分は「貯蔵品」として資産計上しなければなりません。これは、税法上、未使用の消耗品や切手代は、実際に使用(消費)された時に初めて経費として認められるという原則があるためです。
※この貯蔵品への振り替えは、年賀状に限らず、未使用の切手や収入印紙などでも必要になる決算の専門知識です。
年賀状の勘定科目一つを取っても、通信費、広告宣伝費、そして交際費との線引き、期末の貯蔵品処理など、経理業務には迷いや判断が必要な場面が数多く存在します。
知識としては理解できても、「自社の実情に合わせて正しく処理できているか」という不安は、専門家でなければ完全に払拭することは難しいでしょう。
年賀状の処理一つに大切な時間を使ったり、税務上のリスクに晒されたりする必要はありません。中央経理・労務LABOは、「信頼できるパートナー」として、お客様の最高の相談相手を目指し、経理業務の効率化と経営基盤の強化をサポートいたします。
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年賀状の勘定科目は、送付の「目的」や「内容物」など、4つの明確な基準で使い分けることが重要です。そして何より、一度決めた処理方法を一貫して適用することが、税務調査対策において最も重要です。
しかし、経営者の方や経理担当の方が、本来注力すべき本業ではなく、こうした判断基準や煩雑な期末処理に時間を使うのは非効率です。
中央経理・労務LABOは、バックオフィスの改善や、経理・労務に関連することを信頼の専門集団に任せたい経営者の方の強い味方です。
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1979年(昭和54年)生まれ。愛知県豊川市出身。
ニュージーランドの高校(グレンダウウィーカレッジ)を卒業後、南山大学経済学部に入学。
大学を卒業と同年に税理士国家試験合格。
東京の新日本アーンストアンドヤング税理士法人に就職し、国際法人税務に携わる。
帰郷し、当時母が営む筒井経営会計事務所に就職。
平成21年1月、代表に就任。
平成26年9月、税理士法人中央会計社を設立・代表に就任。
(東海税理士会所属 税理士登録番号:109111)


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