令和8年分の源泉徴収税額表は、令和7年度税制改正に伴い、令和8年1月から適用されています。給与計算を担当する経理担当者や経営者にとって、税額表の変更点を正しく理解し、毎月の源泉徴収を適切に行うことが重要です。また、令和8年度税制改正による変更も予定されており、年末調整への影響にも注意が必要です。
この記事では、以下の3点を解説します。
- 令和8年分の源泉徴収税額表の変更点
- 給与計算で確認すべき税額表の使い方と注意点
- 令和8年12月の年末調整と令和9年以降に向けた準備
令和8年分の源泉徴収税額表とは?変更された背景を解説

令和8年分の源泉徴収税額表は、会社が従業員に給与や賞与を支払う際、所得税および復興特別所得税の源泉徴収額を算出するために使用する表です。
令和8年分の税額表は、令和7年度税制改正による給与所得控除の見直しなどを受けて改正されました。令和8年1月以降に支払う給与については、原則として令和8年分の税額表を使用します。
給与計算を担当する場合は、前年までの税額表をそのまま使い続けないよう注意しましょう。
令和8年1月から適用される税額表のポイント
令和8年分の源泉徴収税額表では、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられた令和7年度税制改正などを踏まえ、税額表が見直されています。
給与所得控除とは、給与収入から給与所得を計算する際に差し引く控除です。会社員やパート・アルバイトなど、給与所得者の税負担を計算するうえで重要な仕組みです。
令和8年1月以降の給与計算では、国税庁が公表している令和8年分の税額表を確認し、適切な源泉徴収額を算出しましょう。
令和7年分の税額表との違い
令和7年分と令和8年分では、適用する税額表が異なります。令和7年度税制改正により、令和8年分以後の源泉徴収税額表が改正されたためです。
給与計算システムや表計算ソフトを利用している会社でも、参照する税額表や計算設定が正しいか確認する必要があります。
特に、給与計算を手作業で行っている会社や、税額表を独自のExcelファイルに転記している会社では、旧年度の設定が残っていないか点検しましょう。
税額表の改正では、適用開始時期の確認が欠かせません。令和8年分と令和9年分を混同しないよう、給与の支払日を基準に使用する税額表を確認しましょう。
令和8年分の源泉徴収税額表の種類と正しい使い方

源泉徴収税額表には、主に月額表、日額表、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表があります。
どの表を使うかは、給与の支給方法や賞与の支給状況などによって異なります。誤った表を使用すると源泉徴収額に差が生じるため、給与計算の担当者は使い分けを理解しておくことが重要です。
月額表を使う給与計算
月額表は、毎月、半月ごと、10日ごとなど、一定期間ごとに給与を支払う場合に使用します。
例えば、毎月25日に月給30万円を支給する会社では、原則として月額表を使用して源泉徴収額を算出します。
月額表には、給与所得者の扶養控除等申告書の提出状況に応じて、甲欄と乙欄があります。
- 甲欄:原則として、扶養控除等申告書を提出した従業員に適用
- 乙欄:原則として、扶養控除等申告書を提出していない従業員に適用
同じ給与額であっても、適用する欄によって源泉徴収額が異なる場合があります。従業員の申告書の提出状況を確認したうえで計算しましょう。
日額表を使う給与計算
日額表は、日ごとに給与を支払う場合などに使用します。
日給制の従業員や短期アルバイトなどを雇用している会社では、契約期間や給与の支給方法を確認し、適切な税額表を選択する必要があります。
日額表には甲欄・乙欄に加えて丙欄が設けられています。丙欄は、日雇賃金など、一定の条件に該当する給与について使用する区分です。
例えば、雇用契約の期間があらかじめ2か月以内と定められているパートやアルバイトに日給・時間給で給与を支払う場合には、一定の条件のもとで丙欄を使用します。
ただし、雇用契約の期間や実際の雇用状況によって適用関係が異なるため、単に短期勤務であることだけで判断しないようにしましょう。
賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
賞与を支給する場合は、原則として「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用します。
通常の月給に使用する月額表とは計算方法が異なるため、賞与支給時には専用の表を確認しましょう。
ただし、前月に給与の支払いがない場合や、賞与の金額が前月の給与の10倍を超える場合などは、月額表を使用する取り扱いがあります。
賞与の計算を給与計算ソフトで自動化している場合も、支給条件に応じた計算方法が設定されているか確認することが大切です。
令和8年分の源泉徴収税額表で給与計算を行う際の注意点

令和8年分の源泉徴収税額表を使用する際は、税額表の年度だけでなく、従業員の申告書や給与の支給条件も確認する必要があります。
さらに、令和8年度税制改正による基礎控除などの見直しもあるため、毎月の源泉徴収と年末調整を分けて考えることが重要です。
令和8年11月までの給与計算は従来の税額表を使用
令和8年度税制改正では、所得税の基礎控除の引き上げや給与所得控除の最低保障額の引き上げなどが行われています。
ただし、これらの改正に伴う源泉徴収事務の変更時期には注意が必要です。
国税庁によると、令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はありません。令和8年1月から11月までの給与については、令和8年分の源泉徴収税額表を使用して計算します。
令和8年度税制改正による基礎控除などの見直しは、令和8年12月の年末調整で年間の税額を計算する際に反映されます。
そのため、令和8年度税制改正の内容を確認したからといって、11月までの毎月の源泉徴収額を独自に変更しないようにしましょう。
(参考)国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」
令和8年12月の年末調整では基礎控除などの改正を反映
令和8年度税制改正による基礎控除の引き上げや給与所得控除の最低保障額の引き上げは、原則として令和8年分以後の所得税に適用されます。
一方、令和8年11月までの毎月の源泉徴収では、これらの改正による税額表の変更は行われません。
そのため、令和8年12月に行う年末調整では、改正後の基礎控除額などに基づいて年間の所得税額を計算し、それまでに源泉徴収した税額との差額を精算します。
また、扶養親族等の所得要件の改正についても、令和8年12月1日以後に支払う給与から適用される取り扱いがあります。
新たに扶養親族等の要件を満たすことになった親族について扶養控除等の適用を受ける場合は、必要な申告書の提出状況も確認しましょう。
(参考)国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」
令和9年1月以降は新しい源泉徴収税額表に切り替える
令和8年度税制改正に伴う源泉徴収税額表の改正は、令和9年1月1日以後に支払うべき給与などから適用されます。
令和9年分の源泉徴収税額表は、令和8年分とは別に国税庁から公表されています。
令和9年1月以降の給与計算では、令和8年分の税額表を引き続き使用しないよう注意してください。
給与計算システムを利用している場合は、新年度の税額表への更新時期や、源泉徴収額の計算設定を確認しておくと安心です。
年末年始は年末調整や法定調書の作成なども重なるため、早めに準備を進めることが重要です。
令和8年度税制改正による変更は、毎月の源泉徴収と年末調整で適用時期が異なります。改正内容だけでなく、いつから実務に反映するかを整理することが重要です。
給与計算のミスを防ぐために確認したい3つのポイント

源泉徴収税額表の改正に対応する際は、税額表の差し替えだけでなく、給与計算の運用全体を確認することが大切です。
特に、複数の給与形態がある会社や、経理担当者が少ない中小企業では、確認手順を決めておくことでミスを防ぎやすくなります。
1. 使用する税額表の年度を確認する
まず、給与計算で参照している税額表が正しい年度のものか確認しましょう。
令和8年分の給与には令和8年分の税額表を使用し、令和9年1月以降に支払う給与には令和9年分の税額表を使用します。
Excelで給与計算を行っている場合は、ファイル名だけでなく、計算式や参照先も点検することが重要です。
2. 従業員の申告書と給与条件を確認する
源泉徴収額は、給与額だけで決まるわけではありません。
扶養控除等申告書の提出状況や、月給・日給などの支給形態によって、使用する税額表や適用する欄が異なります。
入社時や雇用条件の変更時には、必要な書類が提出されているか、給与計算の設定に誤りがないかを確認しましょう。
3. 年末調整と翌年の給与計算を分けて準備する
令和8年は、12月の年末調整で税制改正の影響を反映する一方、令和9年1月からは新しい源泉徴収税額表に切り替える必要があります。
年末調整の準備と翌年の給与計算の準備を別々に整理し、担当者や確認期限を決めておくと、作業の抜け漏れを防ぎやすくなります。
給与計算ソフトの更新情報や国税庁の公表資料を確認し、必要な設定変更を計画的に進めましょう。
よくある質問

Q. 令和8年分の源泉徴収税額表はいつから使用しますか?
A. 原則として、令和8年1月以降に支払う給与から使用します。前年分の税額表をそのまま使い続けず、国税庁が公表している令和8年分の税額表を確認しましょう。
Q. 月額表の甲欄と乙欄はどのように使い分けますか?
A. 原則として、扶養控除等申告書を提出した従業員には甲欄、提出していない従業員には乙欄を適用します。従業員の申告書の提出状況を確認してから源泉徴収額を計算しましょう。
Q. 日給制や短期アルバイトにはどの税額表を使用しますか?
A. 給与の支給方法や雇用条件に応じて、日額表などを使用します。日額表には甲欄・乙欄・丙欄があり、丙欄は日雇賃金など一定の条件に該当する給与に適用されます。短期勤務という理由だけで判断せず、契約期間や実際の雇用状況を確認しましょう。
Q. 令和8年度税制改正の影響は、いつから給与計算に反映されますか?
A. 令和8年度税制改正による基礎控除などの見直しは、令和8年12月の年末調整で年間の所得税額を計算する際に反映されます。11月までの毎月の源泉徴収では、改正に伴う税額表の変更は行われないため、独自に源泉徴収額を変更しないよう注意しましょう。
Q. 令和9年1月以降も令和8年分の税額表を使用できますか?
A. 令和9年1月1日以後に支払うべき給与などには、原則として令和9年分の源泉徴収税額表を使用します。年末年始に給与計算システムやExcelの設定を見直し、新年度の税額表へ切り替えましょう。
まとめ

令和8年分の源泉徴収税額表を正しく使用するには、改正内容だけでなく、適用時期や給与の支給条件を理解しておくことが重要です。毎月の源泉徴収と年末調整、翌年の給与計算を区別して準備しましょう。
- 令和8年分の税額表を使用する:令和8年1月以降に支払う給与について、正しい年度の税額表を適用しましょう。
- 給与条件に応じて税額表を使い分ける:月額表・日額表・賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を適切に選び、申告書の提出状況も確認しましょう。
- 年末調整と翌年の準備を進める:令和8年12月の年末調整で税制改正の影響を反映し、令和9年1月からは新しい税額表へ切り替えましょう。
国税庁の最新資料や給与計算ソフトの更新情報を確認し、正確な給与計算と円滑な年末調整につなげましょう。
📌 あわせて読みたい